様々な権力を笠に着て、高圧的な態度を取ることは、人間としての器がかなり小さい人だと思います。
しかし、一昔前までは日本ではそれが当たり前だったように思います。
親の権力や自分の地位などの他にも、男女の差別も大きかったように思います。
それ以外では年齢差も対象になっていることもありました。
当時現役だった人たちも、現在は高齢者になっていますが、当時とあまり変わっていないような気がします。
数年前になりますが、私がある短期のアルバイトをした時、定年退職をしたばかりの恒例の男性も同じアルバイトで仕事をすることになりました。
最初は元気の良い男性というイメージだったのですが、いきなり私に対して、「何でここの仕事をやっているのか?」というような高圧的な聞き方をしてきました。
私は年齢がかなり下ですし、女性なので軽く見られていたのかもしれません。
その時、私は「今までやってきた仕事に関連しているので」と答えました。
立場は同じアルバイトですが、私が何か意見を言うと、「うるさい、黙ってろ!」と大声で怒鳴りました。
私は同僚として接してきたつもりですが、相手にとっては同僚ではなく、自分よりも下の人間として見ていたようでした。
私はこの時、一昔前の高度成長期時代のモーレツ社員の名残がまだまだ日本には残っているのだと改めて感じました。
「笠に着る人」とは、力のある者の後ろに隠れて、威張るような姑息な人のことです。
わかりやすい例えをいうとジャイアンの後ろからのび太君に威張るスネ夫君という感じですね。
「笠に着る人」がスネ夫のように子供であれば、まだまだ未熟な人間なので、こちらも温かい目で見ることができますが、「笠に着る人」が社会に存在した場合は、なかなか腹立たしいですよね。
しかし、こちらの精神が不安定だと笠に着る人の恰好の餌食になってしまうので、グッとこらえて感情的にならずに、理性を働かせましょう。
笠に着る人への一番いい対処方法は笠に着る人が頼っている権力がある人をこちらの味方につけることです。
そうすれば、笠に着る人があなたを攻撃することはできません。
それから、もしも、笠に着る人が頼りにしている権力者を味方につけることができない場合の対処方法は、あなた自身が強い心でいることです。
笠に着る人の攻撃対象は弱い人だからです。
いつでも毅然とした態度を保ちましょう。
びくびくしたり「嫌だなあ」とマイナスの心でいるのは避けてください。
そして、もう一つ、いつでも笑顔を絶やさず、周囲の人に接しましょう。
笑顔はあなたの力になってくれます。
スマイルをもらって嫌な気持ちになる人はいません。
笠に着る人もあなたのスマイルを見て、あなたになにかしようとは思わないかもしれませんし、いつも笑顔の素敵なあなたには、沢山の味方ができるので、笠に着る人もうかつに手をだせません。
私は以前、とある会社の社宅に住んでいたことがあります。
その社宅は、なかなかの広さがあり、家具や家電が充実しており、とても住みやすかったのです。
ですが、良いことばかりではありませんでした。
この社宅は、古巣の権力を笠に着る人が牛耳っており、その人の言いなりに動くしかありませんでした。
あれこれと雑用を頼まれ、会社の仕事だけでなく、プライベートでも気の休まる暇がなかったのです。
年末が近づいたある日のこと、いきなり忘年会の幹事をするように命じられました。
幹事なんて、これまで一度もしたことありませんから、私にはできませんと断りました。
しかし私の言うことなんかに聞き耳を持ってくれず、仕方なく幹事を引き受けることにしたのです。
引き受けたのはいいものの、何をどうしたらいいか全くわからず、ミスを繰り返しました。
するとその度にがみがみと叱られ、ストレスがどんどん溜まっていきました。
紆余曲折をして、何とか幹事の仕事をこなせましたが、私の胃や精神はストレスでボロボロになってしまったのです。
そして病院に入院することになり、ほどなくしてこの会社を辞めることになってしまいました。
会社を辞めることになってしまったのは残念ですが、権力を笠に着る人から解放されて、私はホッとしました。