アメとムチを使い分けるという人は支配したい人

アメとムチを使い分けるという人は、基本相手を支配したい人だと思われます。普段は相手に対してダメ出しをしたり、ひどくなれば暴言を吐いたり暴力をふるうようなことがある人でも、たまに優しい言葉を掛けたり献身的に活動したりすることがあります。普段接している人からすれば普段暴力的な人が急に優しくなるとそれだけでも魅力のある人に思われてしまうのです。アメとムチを使い分ける人は自分では意図的にそうしようという気持ちはあまりないものであり、自分の気分や今置かれている状況次第で言動を極端に変えてしまうことが多いです。いわゆるドメスティックバイオレンスではこのようなアメとムチを使い分けることが多く、第三者から見るとムチを受けている部分しか目立たず被害者には一刻も早く逃げるようにアドバイスをするものです。しかしながら加害者は時折アメに当たる優しさを見せることで、被害者が加害者を見捨てられない状態に陥ることもあります。その結果傷害や殺人といった刑事事件が起きることもあります。アメとムチを使い分ける人に関しては本人も周囲もそのことに気付いていないことが多いため、問題がある場合でも解決する意思がなく対応に難しさを感じることもあります。一方でアメとムチを使い分けていると自覚していてこのままではいけないと思ったら、心療内科といった専門の医療機関を受診したりカウンセラーに相談するなどの対処をすることで改善できる余地もあるのです。

アルバイト現場でアメとムチを使い分けられた

私の実体験から考えると、短期間のアルバイト現場にはアメとムチを使い分ける人が多いと感じます。たとえば年末年始の飲食店の皿洗いのバイトでは、とにかく一秒でも早く皿洗いをしなければなりません。効率最優先の仕事なのです。

すると現場監督はバイトを効率的に働かせるために、アメとムチを巧みに使い分けて指導します。稀にはムチばかりくれるような酷い監督もいましたが、そんな現場では効率は上がりません。たとえ基本的にはムチで働かせるとしても、やはり時々はアメを与えたほうが効率は上がります。短期決戦の仕事とは、そんなものです。

ただし短期アルバイトのアメとムチには、バイト要員に対する愛情などは感じられませんでした。アメとムチの使い分けは、あくまでも機械的に淡々となされていました。思うに、それは短期アルバイトの宿命ではないでしょうか。何しろ期間限定の短期バイトなのですから、現場監督には「その人を大切に育てよう」とか「一人前の人材に育てよう」などという考えはありません。それゆえ愛情など感じられなかったのでしょう。

逆に言うと正社員の職場においては、このような機械的なアメとムチの使い分けは、長い目で見れば決して会社にプラスにはならないでしょう。実際、私は正社員として働いている時は、機械的にアメとムチを使い分けるような上司には一度も出会ったことはありません。

自分の子供にアメとムチを使い分ける

自分の子供に対してそんなことしたらダメでしょと思ったことはあると思いますが、相手のことを思って言ったとしても言われた方からすれば不快を感じているかもしれません。子供のために叱っているのに、叱らないと伸びないのではないかと思っている人も多くいると思いますが、叱ることにより子供はどんどんやる気をなくしていってしまっています。これは、子供だけではなく、会社の関係もそうです。

アメとムチとは、ドイツのビスマルク政策を評する言葉ですが、一般的には厳しさと優しさを使い分けるさまのことで、メリハリのことを指します。相手を自分の意のままに操りたい時など、会社の上司や組織などでよく使うことがあります。アメは「成功したら報酬をあげる」、ムチは「失敗したら罰を与える」といったことですが、普段では厳しく接していますが、たまに優しいところを見せてギャップを作ることで、相手に「この人のために頑張ろう」と思ってもらえるようにします。

しかし、アメとムチに慣れていなかったり、アメとムチのやり方が合わないという人もいます。そういう厳しい指導についていけず、挫折してしまいます。なので、まずは「楽しいものだ」ということを教えることも必要です。簡単には「ムチなし」です。アメとムチの指導を徹底していたせいで、褒めて伸びるタイプが潰れてしまう可能性もあります。

なので、アメとムチの使い分ける人は「人によっては才能を潰してしまう」可能性があり、「人によっては才能を伸ばす」可能性があります。"

Copyright (c) 2014 こんなときどうする?職場の人間関係 All rights reserved.
inserted by FC2 system