ネットとリアルでは態度が違う。ネットで彼の日記を見てびっくり。

これは私が実際に体験したことなのですが、大学の同級生にとても地味で無口な男の子がいました。同じサークルに所属していましたし害はないので、積極的に話しかけてみんなで仲良くしていました。

当時は丁度mixiが流行り始めた時期で、私も友達に勧められてアカウントを作りました。サークルでもmixiをやっている人が多かったのでお互いに繋がり合ってネットでも交流をスタートさせました。その中には例の男の子もいたのですが、彼の日記を見てびっくり。長文で愚痴や自分の持論を延々と書いており、どうやって知り合ったのかmixi上の友達数も群を抜いて多かったのです。彼はネット上だけ異常に饒舌で態度がでかい人だったようです。

いつもは寡黙でぼんやりしている彼が、実際は常に頭を働かせてこんなにいろんなことを考えているのを知ってただ衝撃でした。少し気になってサークルや私のことについて悪口を書いていないかチェックしてしまいましたが、そんなことはなかったです。というか、サークル活動の話は一切なく、ゲームやアニメの話題一辺倒で、本当に彼本人のアカウントなのか信じられないくらい、私の知る彼の片鱗も見られなかったのです。これで嫌いになるということはありませんが、正直言って少し引きました。彼には彼独自の世界があるのだと察し、それ以上深入りはしないようにしました。他のサークルの子たちもそれに似たような接し方を彼にしていました。

ネットとリアルでは態度が違う。匿名性をいいことに暴走しがち。

ネットとリアルでは態度が違う人というのは、匿名性をいいことに暴走しがちな人です。誰にだって少なからず自分を抑えている部分がありますが、ネットは顔も名前も明かさずに自分の意見を言ったり人と関わったりすることができるので、そこで抑えていた自分を爆発させてしまうのです。ネットだけでなくても、例えば飲食店に客として入った時、どんな接客をされてもニコニコしていますが匿名のアンケート用紙に本音や暴言をありのままぶちまけるといったことをするのに抵抗がありません。むしろ匿名の場こそが自分を解放できる唯一の空間だと思い、その自由さを満喫しています。

また、ネットとリアルでは態度が違う人というのは素の自分にコンプレックスを持っていることも多いです。容姿や学歴、家柄などといった、リアルで生活するうえで常に直面しなければならないステータスに劣等感を抱いているので、それを気にしなくていいネット上で強気な態度に豹変します。TwitterやInstagramでたっぷり加工した自撮りを自信満々にアップする人、他の誰かの出自や学歴を叩く人というのは、リアルでもそれらに執着し、劣等感に体を縮こませています。ネット上で身バレをした過激な人が、リアルではまさに自分が批判してきたような人間そのものであった、という事例がたくさんあることからもよくわかりますね。

ネットとリアルでは態度が違う。逆のパターンもある。

「ネットとリアルでは態度が違う人」というといわゆる「ネット弁慶」が頭に浮かびがちですが、実はその逆パターンもたまに潜んでいるものです。リアルでは友達が多くモテているのにネット上では人望がなくモテない人間だという自虐を繰り返している人、リアルでは誰もがうらやむような生活をしているのにそれを隠して慎ましくネット活動をしている人など、そういうタイプは目立とうとしないので本当はたくさんいるのかもしれません。

ネットでは態度が小さいのにリアルでは堂々として充実した生活を送っている人は、あえて自分がネットで演出している可哀想なタイプの人間を集めて、共感するふりをして優越感に浸っているという悪質な人もいます。しかし、純粋にリアルとは違う非日常感、自分が歩むかもしれなかった別の人生を体感するのを楽しんでいる場合もあります。それを知らずにネット上で交流していた側としてはいい気分ではないかもしれませんが、誰だって匿名の場では全く違う自分になりたいものなのです。有名な小説「ジキルとハイド」では温厚で人格者のジキル博士が、内心ではその他人からの評価を窮屈に思い、特殊な薬で極悪非道なハイド氏に変身して全く違う人生を楽しんでいました。ネットとは、その窮屈な自分を脱ぎ捨てることのできる変身薬なのです。

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